【岩波 日本思想大系 三浦梅園 田口正治校訂版「玄語」(版下本を底本とする)との校異】
(全集版は誤植が多いので割愛するが、行番号対応表で調べれば分かる。)
田口正治先生とは、一度だけお会いしたことがあります。今日の梅園研究の基礎を築かれた功績は多大なもので、
余人の及ぶところではありません。同じ大分県に生まれたものとしてとして嬉しく思います。なお、本稿での校異
を岩波版に反映させれば、自筆元筆の復元版ができます。ただし「地冊露部」以降はきわめて煩雑になりますので、
適当に拡大複写したものに書き込むほうが良いでしょう。
行番号に対応する文は、原文版画像で確認してください。
ただし、原文版画像も訂正前のものであるため、参考資料として利用してください。いずれすべて作り直します。
【玄語元筆 復元途中 覚え書き】
【見せ消ち一覧】(継続更新)
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全体の構成 「本宗」「地冊・没部」「地冊・露部」の三冊は天明浄本
「天冊・活部」「天冊・立部」「小冊・人部」「小冊・物部」「例旨」の五冊は安永四年本
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この構成は、黄鶴に告げられた梅園の遺志と思われる。というのは、「天冊・活部」「天冊・立部」
は安永四年本において既に完成していたと思われ、「小冊・人部」「小冊・物部」も、梅園自身の
改訂が終了した時点で、完成していたと思われ、大幅な改訂が必要となった「本宗」「地冊・没部」
「地冊・露部」の三冊も、その骨子は安永四年時点で完成している。しかし天明浄本には天才の閃
きとしか言いようのない高度な論理の展開があり、これを書き下ろし直後の状態に極力近づけたか
たちでの全体の復元が、三浦梅園が意図した著作としての「玄語」に最も近いものになると思われる。
【玄語 天明浄本 本宗 校異】
画像行番号 自筆元筆 自筆稿本の訂正と岩波版(版下本を底本とする)
0001 一四 [一二] 自筆本、この項目は、朱筆。以下、本宗の項目はすべて朱筆。
岩波版では朱筆は再現されていない。注もない。(可。推黄鶴)
0002 一五 性偶體物偶氣 性の右に物と小さく傍記。さらに物の右に性と小さく傍記。岩
波版はこの傍記を採用して、物偶體性偶氣としている。
(不可。推黄鶴)
0003 一九 一一卽一 卽の右に朱筆で小さく則と傍記。字は粗略。岩波版はこれを採
用して、一一則一としている。(不可。推黄鶴)
0004 二四 具一體二剖而爲經 體を見せ消ちにして右に小さく闕と傍記。岩波版は傍記を採用
して、具一闕二としている。(推黄鶴)
0006 一〇九 對而合焉於是 於是を見せ消ち。岩波版はを於是を省く。(推黄鶴)
0008 一三六 人立兩岸各相望。 各を○で見せ消ち。岩波版は各を省く。(推黄鶴)
0009 一三七 則各相同焉 右に同じ。岩波版は各を省く。(推黄鶴)
0010 一三八 則互相異矣是以 相を○で見せ消ち。岩波版は相を省く。(推黄鶴)
0011 一五六 麁則見性物爲華液 性物にはなんの指示・訂正もないが、岩波版は性體に変更。
おそらくは、版下本執筆段階での訂正。(推黄鶴)
0012 一六八 雖地成于結
0013 一六九 天成 散然 成と散の間に小さく于がある。然を○で見せ消ちにし而を右傍
記。字は粗略。成と散の間にはレ点がある。岩波版は、「于」
「而」を入れて、天成于散而 としている。(推黄鶴)
0014 一七一 則消而盡地是以 是以を○にて見せ消ち。岩波版は是以を省く。(推黄鶴)
0015 二二二 不有爭居 爭を○で見せ消ちにし、右に胡と傍記。岩波版は「胡」とする。
(推黄鶴)
0016 二六三 故欲有乎天地者。須繹條理。 有の左下に小さく觀とあり有と線で結んでいる。元筆は、
「欲有乎天地者。」、岩波版は「欲有觀乎天地者。」である。
(推黄鶴)
0017 二七二~七三 以才之所能 所を○で見せ消ち。岩波版は所を省く。(推黄鶴)
0018 三三二~三三 故雖混成相食。 故を○で見せ消ち。岩波版は故を省く。(推黄鶴)
0019 三五〇 親疏同疏 疏を○で見せ消ちにし、左に小さく祖と傍記。ただし、貼紙
が落ちたような四角の変色がの疏の上にある。(推黄鶴)
0020 三五五 故此之所乏有仰于彼夫 故を○で見せ消ち。岩波版は故あり。(推黄鶴)
0021 三六〇 [各偶] 是以一元之氣。 [各偶]は朱筆。岩波版にこの項目は反映されていない。(推黄鶴)
是以を○で見せ消ち。岩波版にはこの二字はない。(推黄鶴)
0022 三七二 物立 條理整齋之中 於を立の右下に傍記。岩波版は、物立於條理整齋之中とする。
(推黄鶴)
0023 三八一 性遊物中 中のあと、朱で、 」(その項の終わりを示す印)を付してる。
岩波版にはない。(推黄鶴)
0024 四一八 一一爲分合混粲 爲を○で見せ消ちにし、右に成と傍記。岩波版は、
一一成分合混粲とする。(推黄鶴)
四二五 雖精没亦隠見 この文の最後の見のあとに、神而見焉物而露矣を移動す
四二六 見者以没爲其地 るように細線で指示している。岩波版は、
四二七 露者以隠爲其天 雖精没亦隠見
四二八 神而見焉 神而見焉
四二九 物而露矣 物而露矣
見者以没爲其地
露者以隠爲其天の順となる。(推黄鶴)
0025 四二九* 露宅其没見露其隠 自筆見せ消ち。岩波版にはなし。写本939にもなし。(推黄鶴)
・ ・・ ・・
0026 四三七 就盡處強勾漠然無朕者。 上に●を付けた文字が○にて見せ消ち。就の右に臨と
・
勾以觀之。 と傍記。勾以の勾の右下に得を傍記して細線で觀と結
んで、臨盡勾漠然者。勾得觀之。なる文を作っている。(推黄鶴)
0027 四三九 則藐焉之中。 則の右下に小さく唯と傍記し、藐の右下に藐と傍記し、
之中を○で見せ消ちにして、則唯藐藐焉。という文を
作っている。(推黄鶴)
0028 四七〇 精見天機 (この行、参考に付す。以下の注は下記参照。)
0029 四七一 麁露氣物
0030 四七二 雖没而袞袞之通。
0031 四七三 坱坱之處。成宇宙
四七一 氣物を○で見せ消ちにし、小さく色體と傍記し、さら
に色を○で見せ消ちにし、性と右上に書いている。
(推黄鶴)
四七二 雖の右横上に天と傍記し、雖の上に来るように細線で
指示している。(推黄鶴)
四七三 處を○で見せ消ちにし、塞と右上に書いている。
訂正後の文は、左のようになる。(推黄鶴)
精見天機
麁露性體
天雖没而袞袞之通。
坱坱之塞。成宇宙
0032 四八六 而不沈者 而と不の間に小さく終古と傍記し、細線でこの間に入
れ、前行と合わせて、終古而不沈者とするよう指示
している。(推黄鶴)
0033 四八七~八八 入幽玄之界。 界の右下に小さく焉と書き、細線でつないでいる。(推黄鶴)
0034 五〇六~〇七 天地得陰陽之偶。 陰陽はいかなるわけか侌昜とはしていない。これを○
で見せ消ちにして華液と傍記している。(推黄鶴)
0035 五一五 爲神通之路 通を○で見せ消ちにし、右に遊と傍記。(推黄鶴)
0036 五五八~五九 成宅有物之者靜靜者没焉散結者以露虚實之體
五六〇~六一 爲■路由機者動動者見焉發收者以見色性之氣故
五六二 中有止而能維雖諸動游移
五六三 於是靜者虚實
五六四 動者往來
右、有物之の之を○で見せ消ち。■(於?)を見せ消ちにしているが読めない。
五六〇~六一の最後の氣と故の間に五六三・五六四を入れるように細線で指示
している。この指示に従えば、左のようになる。岩波版はこれを採る。(むろ
ん、版は棒組であり、二行一対ではないが、返り点・送り仮名がある。)
五五八~五九 成宅有物者靜靜者没焉散結者以露虚實之體
五六〇~六一 爲路由機者動動者見焉發收者以見色性之氣
五六二 於是靜者虚實
五六三 動者往來故
五六四 中有止而能維雖諸動遊移
0037 五七四 天剖天機 天の右に氣と傍記。岩波版は、氣剖天機とする。(推黄鶴)
0038 五七五 物分物體 物を○で見せ消ちにし、物と右傍記したあと、さらに
性と下に傍記し、これが岩波版に採用されている。(推黄鶴)
岩波版は、氣剖天機
物分性體となる。
0039 五七七 物體已分 物を○で見せ消ちにし、右下に小さく性と傍記。岩波
版は性體已分を採る。(推黄鶴)
0040 五八二 成一天地焉。 一と天の間に小さく大と天を書き、一大天地としてい
る。岩波版は、これを採る。(推黄鶴)
0041 五八九~九〇 所居之實分焉 分を○で見せ消ちとし、右に露と傍記。岩波版はこれ
を採る。(推黄鶴)
0042 五九一~九二 所絪之陽所縕之陰見焉 ここでも陰と陽を使っており、それぞれ○で見せ消ち
にされ、それぞれ右に華、液と傍記されている。(推黄鶴)
0043 五九四 轉持没而見陰陽之性 ここでも同様で、陰陽が○で見せ消ちにされ、右に華
液と傍記されている。(推黄鶴)
0044 六二〇 徴端於火以體之虚而出升 端を見せ消ちにして、之を右に傍記。(端は例示のこと)
0045 六七四 持寓端於天 読みづらいが、おそらくは持を○で見せ消ちにして地
と下に書いている。他の文字は想定しづらい。ただし、
梅園は同じ文字を二度続けて書く場合は、必ず点で略
記するので、持であれば、例外的に同じ文字を二度書
いたことになる。他の字の可能性も皆無ではない。(不明)
0046 六七七~七八 故地雖靜 而氣活其中 故を○で見せ消ち。岩波版にはある。(不明)
0047 七〇九 與持相拒故 故を○で見せ消ち。岩波版にはない。(推黄鶴)
0048 七一五 居者無垠是以 是以を○で見せ消ち。岩波版にはない。(不明)
0049 七一七 容者不大於居者故 故を○で見せ消ち。岩波版にはない。 (不明)
0050 七二六 北則南則北爲邊 北則を●で見せ消ちにして、北の上に我と書き、南と
細線で結んで、我南則北爲邊に変更。岩波版はこれ
を採る。(推黄鶴)
0051 七二七 我南則北爲邊是以 南を○で見せ消ちにし、右上に小さく北と傍記し、則
の下の北を○で見せ消ちにして右に南と傍記。細線で
結んで、我北則南爲邊という文を作る。是以を○で
見せ消ち。岩波版は、変更を採り、見せ消ちはない。
(推黄鶴)
0052 七五一 以麁推虚 何の訂正もないにもかかわらず、岩波版・全集版とも
に麁を實に置き換え、以實推虚という文を作ってい
る。版下本執筆段階での変更であろう。(推黄鶴)
0053 七五一*1 故以露索没則没亦露矣 この文、●でほぼ抹消。辛うじて読めたが、最後の一
0054 七五一*2 以實推虚則虚亦實矣■ 文字は判読できない。他の文例からして、おそらくは
故か。(推黄鶴)
0055 七五四~五五 所往皆然。故 故を○で見せ消ち。岩波版にはない。(不明)
0056 七六七 而精亦同露焉。 同と思われる文字を●で抹消。岩波版に同はない。(不明)
0057 七六八 難一者乃二之條理 條理を二本線で消して粲立と傍記。岩波版は粲立を
採る。(推黄鶴)
0058 七七二 麁居精中於是 於是を○で見せ消ち。岩波版に於是はない。(推黄鶴)
0059 七八三 或曰液或曰陰 或曰液をを○で見せ消ちにして或曰水に、陰をを○
で見せ消ちにしてAに訂正している。液は今新命曰
液とあるから、梅園の書き損じか。(推黄鶴)
0060 七八七 曰陰陽。 陰陽には何の訂正もないが、岩波版はA昜となって
いる。おそらく版下本執筆段階での訂正であろう。(推黄鶴)
0061 七八八 聽者惑其聲焉。 この文、○にてすべて見せ消ち。(推黄鶴)
可以專稱。 專を○で見せ消ちにし、右下に小さく汎と傍記し、
汎稱とするよう細線で結ぶ。岩波版では、可以汎稱。
となる。(推黄鶴)
0062 七九九~〇〇 地在天中 地を薄く見せ消ちにして小さく日と下に記す。(推黄鶴)
然則天火得影偶之 影の右下に而と傍記し、偶の下の之を○で見せ消ち。
岩波版は、日在天中然則天火得而影偶となる。(推黄鶴)
0063 八〇二 故火之偶水於地上。 故を○で見せ消ち。岩波版に故はない。(推黄鶴)
0064 八五五 二圓合一。 圓と合の間に相と小さく傍記。岩波版は、これを採っ
て、二圓相合。としている。なお、この頁と次の頁は
梅園の自筆ではない。前頁の訂正の途中から始まり、
次の頁の終わりがその次の頁の中ほどにつながるので、
これは、前後の筆写である。梅園自筆は訂正が甚だし
いので、筆写して綴じこんだのであろう。筆写したの
は黄鶴(こうかく。梅園の長子)か、晩年の高弟であ
る矢野弘のいずれかであるが、それぞれ書き残したも
のがあるので、鑑定は容易であろう。
0065 八五八 自成中外。 自を○で見せ消ちにし、右に以と傍記し、上下の文字
と細線で繋いでいる。岩波版は、これを採って、以成
中外。とする。(推黄鶴)
0066 八六八 以我定順逆。 上の文を棒線で見せ消ちにし、於是乎順逆定于我と右
に傍記。岩波版は、これを採る。(推黄鶴)
0067 八八三 何知不東線一合轉輪。 何の右に安と傍記。岩波版は安を採る。(推黄鶴)
0068 八八五 (この行の文、削除) 本文右に、小さく粗略な文字で、轉趺之中卽地。と傍
記。岩波版には、この文がある。(推黄鶴)
0069 八八八 (この行の文、削除) 本文右に、小さく粗略な文字で、運巓之下頭廼月。と
傍記。岩波版には、この文がある。(推黄鶴)
0070 八八九 日表一層廼景之處 日を■で消して、左に月と傍記。景を■で消して右に
日と傍記。之處を■■で抹消。消された文字は、なん
とか読める。岩波版は、月表一層廼日とする。
(不可。推黄鶴)
0071 八九〇 景表一層廼影之處 景を■で消して、右に日と傍記。之處を■■で抹消。
消された文字は、なんとか読める。岩波版は、日表
一層廼影とする。(不可。推黄鶴)
0072 八九一~九二 色界巓日 巓を■で消して盛と傍記。巓はほとんど読めないが、
同様に消された趺が辛うじて読めるので、ほぼ間違
いない。岩波版は盛を採る。(推黄鶴)
0073 八九三~九四 體界趺地 趺を■で消して主と傍記。岩波版は主を採る。(推黄鶴)
0074 八九五 故星辰含乾燥光明 光を○で見せ消ちにして輕と傍記。岩波版は輕を採
る。(推黄鶴)
0075 八九七 故萬物之所遊天而日影 故を○で見せ消ち。岩波版は故なし。(推黄鶴)
0076 八九八 至大莫所弗容 莫を○で見せ消ちにし無と傍記。岩波版は無とする。(推黄鶴)
0077 八九九 至小莫所弗載 同右。
0078 九〇〇 莫所弗容 同右。
0079 九〇一 莫所弗載 同右。
0080 九一〇 無象更浮於有象 無象とあるが、無■となっていてもとの字は読め
ない。右上に象らしき字を傍記している。ここは
写本939に従って象を採り、無象としておくほかな
い。(推黄鶴)
0081 九一二 天麁于有象 何の訂正もないが、于が於に変えられている。版
下本制作段階の訂正か。岩波版は於を採る。(推黄鶴)
0082 九一九 月表一層景環之 景を■にて抹消し日と傍記。岩波版は日を取る。(推黄鶴)
0083 九二〇 日表一層景容之 景を■にて抹消し日と傍記。同右。(推黄鶴)
0084 九二八 而 然而の然を○で見せ消ちにし、而としている。岩
波版は、而。(推黄鶴)
0085 九三二 景影者 景を○で見せ消ちにし日と傍記。岩波版は日を採
る。(推黄鶴)
其物光明 物と光の右に乾燥と傍記。岩波版では、其物乾燥
光明となる。(推黄鶴)
重而浮鋪 重を●で見せ消ちにして輕と傍記。岩波版は輕を
採る。(推黄鶴)
0086 九三五 水則鱗裸藻樹之二 鱗裸を●で見せ消ちにして魚龍と傍記。之二を棒
線で見せ消ち。岩波版は、水則魚龍藻樹となる。
(推黄鶴)
0087 九三六 陸則禽獸艸木之二 之二を棒線で見せ消ち。岩波版は之二なし。(推黄鶴)
(裸は[にんべん+果]の代用文字。)
0088 九四〇 居景影者 居景をほとんど塗り潰して繋日と傍記。岩波版で
は、繋日影者となる。(推黄鶴)
0089 九九六 地動鱗比於是 於是を○で見せ消ち。岩波版は於是なし。(推黄鶴)
0090 一〇〇九~一〇 侌晴無常是則天定 常を○で見せ消ちにし、下に定と書く。是を○で
見せ消ち。岩波版では、侌晴無定則天定とな
る。(推黄鶴)
0091 一〇一三 廼反比之間也。 廼の上に是を傍記し、かつ廼を則に変え、間と也
のあいだに態と書く。岩波版では、是則反比之態
也。となる。(推黄鶴)
0092 一〇一四 是以地者一水土塊。 是以を○で見せ消ち。岩波版には是以はない。(推黄鶴)
0093 一〇三七 數盡大物便始盡。 便を○で見せ消ちにし、左に乃と書く。岩波版は
乃を採る。(推黄鶴)
0094 一〇三八 雖以麁而露。 雖の左上にほぼ同じ大きさで物と書かれている。
梅園の書き込みである可能性が高いが、復元の方
針に従って、本文から外す。岩波版はむろん物が
ある。(推黄鶴)
0095 一〇九六 故燥從日之南北而肅舒 日を消さずに右に地と傍記。ここは安永本からの
転記であるから(岩波五四一頁参照)、地と書いた
のは黄鶴であると断定できる。(推黄鶴)
0096 一一〇三 各具其本根精英。 各を○で見せ消ち。岩波版には各はない。(推黄鶴)
0097 一一〇九 自人溯天地。則一開大物。 人溯を棒線で見せ消ちにし、地と則の間の左横に
觀之と書き、自天地觀之。という文を作っている。
岩波版はこれを採る。(推黄鶴)ちなみに全集版は
自人溯天地。
◆◆◆「本宗」超漢字版 復元終了 (2008/01/03)◆◆◆
【玄語 安永四年本 天冊活部 校異】
0098 一一四八 緯之貌也 貌を○で見せ消ちにし、態と右に傍記。岩波版は
態を採る。(推黄鶴)
0099 一一六二 一體一用 もと一體一用であったが、一用から見せ消ちに
して、於本根精英以下を傍記し、訂正前の文に
戻ったり、同様の見せ消ちと訂正を行ったりして
一一七九行に繋ぎ、以下の文を作っている。都合
上、行番号などの情報を付けておく。(推黄鶴)
一一六二 一體於本根精英
一一六三 全〇四五上・〇一 運用於絪縕給資
一一六四 剖對已二也二也則有用交接而依於佗故
一一六五 全〇四五上・〇二 徳有勢走
一一六六 居容路通
一一六七 爲状於交隔通融
一一六八 全〇四五上・〇三 成貌於自使常變
一一六九 絪縕給資造化行茲
一一七〇 全〇四五上・〇四 自使常變天命成茲
一一七一~七二 天有一故本神本天徳之立一也
一一七三~七四 全〇四五上・〇五 神開二故天神本神道之開二也故
一一七五 全〇四五上・〇六 本幹物
一一七六 神運活而
一一七七 天成之
一一七八 神爲之
0100 一一八一 徳以有之 徳の右に惟と傍記。岩波版は、惟を採る。
0101 一一八二 道以開之是以。 道の右に惟と傍記。岩波版は、惟を採る。
0102 一一八三 有而行之道徳之所一也 有の右に徳と傍記し、而行之を○と棒線で見せ消
ちにし、徳有道成とする。岩波版はこれを採る。
0103 一一八四 宅而路之道徳之所二也 而を○で見せ消ちにし、右に容と傍記。之を見せ
消ちにし、右に通と傍記し、宅容路通とする。
岩波版はこれを採る。
0104 一一八九~九〇 則不能混有一而剖對 混有を○で見せ消ちにして粲立と傍記。岩波版は、
粲立を採る。(推黄鶴)
0105 一一九二 對也没罅縫 没罅縫を○と棒線で見せ消ちにして并反比と傍記。
岩波版は、并反比を採る。(推黄鶴)
0106 一二〇九 精神不接 精神不接を○と棒線で見せ消ちにして、竝立居一
と傍記。岩波版は、竝立居一とする。 (推梅園)
0107 一二一六 則往來之活 往來を○と棒線で見せ消ちにして右に榮養と傍記。
岩波版は、則榮養之活とする。(推梅園)
0108 一二一七 處也神得物而居之 也を○で見せ消ちにし、處の右に成を傍記し、細
線で結んで、成處とするように指示。岩波版は、
成處とする。かつ之を○で見せ消ち。岩波版は、
之なし。(推梅園)
0109 一二一八 時也物得神而遊之 也を○で見せ消ちにし、時の右に成を傍記し、細
線で結んで、成時とするように指示。岩波版は、
成時とする。かつ之を○で見せ消ち。岩波版は、
之なし。(推梅園)
0110 一二一九 居則靡非其有 居を○で見せ消ちにし、有の右下に者を傍記し、
細線で結んでいる。岩波版は、則靡非其有者と
なる。(推梅園)
0111 一二二〇~二一 行則靡非其道 行を○で見せ消ちにし、道の右下に者を傍記し、
細線で結んでいる。岩波版は、則靡非其道者と
なる。(推梅園)
0112 一二三二~三三 侌昜之所不盡也。 所と不の右横に以を傍記。岩波版は所以不とする。
(推黄鶴)
0113 一二五三~五四 有則不能有外之者 能を○で見せ消ち。岩波版は不有とする。(推梅園)
0114 一二五五~五六 行則不能有遺之者 能を○で見せ消ち。岩波版は不有とする。(推梅園)
0115 一二六七~六八 全之所全也。 所と不の右横に以を傍記。岩波版は所以全とする。
(推黄鶴)
0116 一二八七~八八 言之於技。譬如囲碁。 この八文字を○と棒線で見せ消ちにして、譬如の
右に言之と傍記して言之囲碁。とする。岩波版は
これを採る。(不明)
0117 一二九〇 歸宅閉其■。 この五文字○と棒線で見せ消ち。最後の文字は読
みづらい。(不明)
0118 一二九三~九四 有其路。 有を○で見せ消ちにして右に行と傍記。ただし、
岩波版は、有其道。となっている。全集版も同じ
なので版下本制作段階での変更であろう。(推黄鶴)
0119 一三〇四 其所行故 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0120 一三二二~二三 則徳性之所爲也。 則を見せ消ちにして卽としている。岩波版は卽と
している。(推黄鶴)
0121 一三三一 故徳行諸事則道 故を○と●を重ねてほとんど消している。岩波版
に故はない。(推黄鶴)
0122 一三五四 而後發者聲中能具音韻 訂正はないが、岩波版では故發後音韻開於聲中。
となっている。写本939欄外上段に「故以下本
作而後發者聲中能具音韻と書き込みがあることか
ら版下本制作段階での書き換えであることがわか
る。(推黄鶴)
0123 一三七七~七八 日月星宿之行所。 宿を○で見せ消ちにして右に辰と傍記。岩波版は、
星辰とする。(推黄鶴)
0124 一三九五 今夫黒白之棊子。 今を○でほぼ消している。岩波版に今はない。
(推黄鶴)
0125 一四〇六 囿於堂者。不知幕席也。 何の訂正もないが、堂と幕席を入れ換え、囿於幕
席者。不知堂也。という文を作っている。版下本
製作時の訂正か、もしくは読み違い。(推黄鶴)
0126 一四八七 回於其力 回を○で見せ消ちにし、宅維に返り点・送り仮名
を付けて傍記。岩波版は、宅維於其力とする。
(推梅園)
0127 一四八八 往者向後 向後の後を○で見せ消ちにして前と傍記。次行の
0128 一四八九 來者向前 向前の前を見せ消ちにして後と傍記しているが、
岩波版本文には、反映されていない。同書五四一
頁に校異が記されており、矢野弘が付箋で示した
注意「往者向後來者向前ハ袞袞之氣ヲ云、往者向
前來者向後ハ擾擾之物ヲ云、改竄更乞論定」が紹
介されていて貴重である。訂正の特徴から、回を
宅維としたのは梅園その人、前後を入れ換えよう
としたのは黄鶴、その改訂を止めたのが弘である
ことがわかる。(ぺりかん社版上巻一六〇頁の最
後の行参照。) (推黄鶴)
0129 一四九四~九五 事有理故 事を○で見せ消ちにし、徳と傍記。岩波版は徳と
する。(推黄鶴)
0130 一五一〇 一之貌也故 故を○で見せ消ち。岩波版に故はない。(推黄鶴)
0131 一五二六~二七 麁之所對也。 也を○で見せ消ち。岩波版に也はない。(推黄鶴)
0132 一五三七 不能不走于此則勢也 則を○で見せ消ちにして右に者と傍記。送り仮名
の訂正はない。岩波版は不能不走于此者勢也
とする。(不明)
0133 一五四七 故者其所然 所然の右に以と傍記されているが、岩波版には、反
映されていない。(推黄鶴)
0134 一五七六 故者其所然也 右に同じ。(推黄鶴)
0135 一五七七 理者其以然也是故。 是故を○と棒線で見せ消ち。岩波版に是故はない。
(推黄鶴)
0136 一五八〇~八一 所然則冥冥 右に同じ。岩波版五四二頁の注に矢野弘の付箋の紹介
がある。「(略)所以然トスレバ虚語ニシテ以然ト対
セズ、(略)皆盡ク以字ヲ加エバ恐ラクハ作者ノ意ヲ
失ス(略)」とあり、所然を所以然とすることに強く
反対していたことがわかる。この傍記は広範囲に見ら
れ、筆致・字の位置がほぼ同じであり、文字の間に書
かれた場合でも、返り点と合わないことから、黄鶴の
ものと判断できる。(推黄鶴)
0137 一五八三 有以當是以。 是以を○と棒線で見せ消ち。岩波版に是以。はない。
(推黄鶴)
0138 一五八四 所然者冥焉 所と然の間に小さく以と書き入れされているが、返り
点と整合しない。岩波版には、反映されていない。
(推黄鶴)
0139 一五九二~九三 而溯于所然則冥 所然の右に以と傍記されているが、岩波版には、反映
されていない。(推黄鶴)
0140 一五九六~九七 故以冥爲體是以 是以を○で見せ消ち。岩波版には是以はない。(推黄鶴)
0141 一五九八~九九 理以昭爲體是以 是以を○で見せ消ち。岩波版には是以はない。(推黄鶴)
0142 一六〇二 爲則素 爲と則の間に、小さく者と書き入れている。次の成者
には連字符があるが、ここは、爲ハ則素と送り仮名
あり、それは消されていない。(推黄鶴)
0143 一六〇六~〇七 故雖成具亦小物也 雖を○で見せ消ち。返り点も消している。文の流れが
変わる。岩波版には、雖がない。(推黄鶴)
0144 一六三七 處者容天地者也 天地を棒線と○で見せ消ちにし物を地の下に書いてい
る。岩波版は、物とする。(推黄鶴)
0145 一六四七 徳有含 徳と有の右に能と傍記。含の右上に之と傍記。岩波版
は、徳能有之とする。(推黄鶴)
0146 一六四八~五〇 *能開之 何の訂正もないが、岩波版は、*(導の異体字)を道
とする。写本939は、徳有含*能開之としてい
るから版下制作段階での訂正であろう。(推黄鶴)
0147 一六五一 短小能爲天地故。 故を○で見せ消ち。岩波版に故はない。(推黄鶴)
0148 一六五三 短小散長大中故。 故を○で見せ消ち。岩波版に故はない。(推黄鶴)
0149 一六五六 其歸也一。故。 故を○で見せ消ち。岩波版に故はない。(推黄鶴)
0150 一六五八~五九 是以。萬物與我同。 是以を棒線で見せ消ち。岩波版に是以はない。(推黄鶴)
0151 一六六一 以成天地故。 故を○で見せ消ち。岩波版に故はない。(推黄鶴)
0152 一六七二 精者精而見神 最初の精を○で見せ消ちにして精と者の右に性と傍記。
岩波版は、性者精而見神とする。(推黄鶴)
0153 一六九〇 性隠而體露 體を○で見せ消ちにして物と上に書いているが、岩波
版本文には反映されていない。ただし、訂補にあるこ
とが校異に書かれている。(推黄鶴)
0154 一六九一 體没而性才見 體を○で見せ消ちにして下に氣と書いているが、岩波
版本文には、反映されていない。ただし、訂補にある
ことが校異に書かれている。なお、才はもとの字を消
して上に才と書いているが、もとの字は読めない。写
本939も才としている。ここは才とするしかない。
(推黄鶴)
0155 一六九四~九六 一之所二也 所と二の間に以を入れている。返り点と合わない。岩
波版は、所以二とし、返り点を変えている。(不可。
推黄鶴)
0156 一六九七~九九 二之所一也 所と一の間に以を入れている。岩波版は所以一とし、
返り点を一二に変えている。(不可。推黄鶴)
0157 一七〇〇 所依資歸一也 所と依の間に以を入れている。岩波版は所以依として
いる。(不可。推黄鶴)
0158 一七一六 當命成 當を○で見せ消ちにし、天とする。岩波版は、天命成
とする。ただし、もとの字はかなり読みづらいので別
字の可能性もある。(推黄鶴)
0159 一七五六 通則於對偶 通則を○と棒線で見せ消ちにし、右に故を傍記。岩波
版では、故。於對偶となる。(推黄鶴)
0160 一七五七 則大給小資故 故を○で見せ消ち。故は次の行に続いて、故互其隔
となる。(推黄鶴)
0161 一七五八 互其隔 互を○で見せ消ちにし、其と隔の間に所を小さく入れ
ている。岩波版では、其所隔となり、次の行ときれ
いな対をなすが、文脈が変わってしまう。また、所に
対応するレ点があるが、故互其隔に対応する一二の
指示がそのまま残されている。(推黄鶴)
0162 一七八〇 氣之往來也故 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0163 一七九二 彼此之所相依而成然也。 所と相の間に以を入れる。岩波版は所以相とする。(推黄鶴)
0164 一八二一 所然者冥 所と然の間に、以を入れている。岩波版本文には、反
映されていない。校異に版下本訂補にこの書き込みが
あることが記されているので、それ以前の作業である。
0165 一八二二 所然者故 右に同じ。これには校異が付けられていない。(推黄鶴)
0166 一八二七 未考所然之故 右に同じ。校異なし。(推黄鶴)
0167 一八三五 理氣豈條理之正對哉。 この一文、自筆になし。岩波版にはあり。版下本作成
時の黄鶴の作文と思われる。(不可。推黄鶴)
0168 一八三六 況其所理者。 況と其の間に、乎と小さく書かれている。岩波版は、
況乎其とする。(推黄鶴)
0169 一八三八~三九 於是。以死底之理 於是を棒線で見せ消ちにし、竟と右に傍記。岩波版は
竟。以死底之理とする。(推黄鶴)
0170 一九〇五 臣未忠 未と忠の右に必と傍記。岩波版は、臣未必忠とする
が、自筆の返り点と合わない。(推黄鶴)
0171 一九一一~一二 是以勢易伸於理之上
理難屈於勢之下 この文、欄外上段の加筆。前行の戻と次行の故の間に、
これを入れるよう指示がある。(推黄鶴)
0172 一九一九~二三 (編集による空白) 超漢字による復元版から削除したここの文は、自筆稿
本にはない。以下の通りである。(不可。推黄鶴)
知理之所在。而循之者智也。譬之理猶燭也智猶目
也燭照而目得視也。
そのうえで、次の一九二四・一九二五の二行を抹消し
ている。自筆本に抹消の跡はない。
0173 二〇〇六~〇七 動輒以意知機巧窺成 機巧が技巧になっている。版下本作成時の書き換えか
読み違い。(不可。推黄鶴)
0174 二〇八六 而居 有曠狹 居と有の右に者と傍記。前行との対応からして元筆の
落字か。(推黄鶴)
0175 二一一五 開室閉戸 閉を○で見せ消ちにし、戸の下に開を入れ、室閉戸開
とし、返り点は消している。(推梅園)
0176 二一一六 上路歸宅 上と歸を○で見せ消ちにし、歸の右に通と傍記。宅の
右下に容を傍記し細線で結んでいる。返り点は消し、
傍点も訂正している。(推梅園)
0177 二一二四 成則以宅以路 以宅以路の以をそれぞれ○で見せ消ちにし、也を加え
て、成則宅也路也としている。(推黄鶴)
0178 二一二八~二九 地運雲雨 雲雨を○と棒線で見せ消ちにして右に水火と傍記。岩
波版は、地運水火とする。(推黄鶴)
0179 二一三九~四〇 我已使令之天地。 使令を○と棒線で見せ消ちにし、右に有此と傍記。岩
波版は、我已有此之天地とする。(推黄鶴)
0180 二一四二 而準子午丙寅 丙寅を○と棒線で見せ消ちにして右に卯酉と傍記。岩
波版は、卯酉とする。(推黄鶴)
0181 二一五一 故。陸曼然居水 故を○で見せ消ち。岩波版に故はない。(推黄鶴)
0182 二一六三 更晝夜 更の右上に一歳と傍記。岩波版は、一歳更晝夜とす
る。(推黄鶴)
0183 二一六四 再冬夏 冬夏の右に一歳と傍記して抹消。消し方は粗雑。岩波
版は、一歳再冬夏とする。(推黄鶴)
0184 二一六九~七〇 更春夏秋冬。 更を○で見せ消ちにし、右に互と傍記。岩波版は互と
する。(推黄鶴)
0185 二一八五 物立居于宇 居を○で見せ消ちにし、右に宅と傍記。岩波版は、物
宅宇とする。(推黄鶴)
0186 二二〇二 則非啻萬之所盡也。 啻を○で見せ消ち。岩波版には啻はない。(推黄鶴)
0187 二二〇八 地下天上轉外持内 この文、棒線二本で見せ消ち。岩波版にはない。(推黄鶴)
0188 二二一五 地土石而止 土石を○で見せ消ちにして左に麁實と傍記。岩波版は、
麁實とする。(推黄鶴)
0189 二二二八 故知。結者猶有所下 故知を○と棒線で見せ消ち。岩波版に故知はない。
(不明)
0190 二二三二 體成于天地 天地を○と棒線で見せ消ちにして、右に氣物と傍記。
岩波版は、體成于氣物とする。(推黄鶴)
0191 二二四一~四三 水結于解中 居拗中之天 中と居の間に而を小さく書き入れている。対の文と
の対応からすれば落字の補足となる。(不明)
0192 二二五〇 壑邃乎積水故 故を○で見せ消ち。岩波版に故はない。(推黄鶴)
0193 二二六〇~六二 地居持中。 地と居の間に之を入れる。岩波版は、地之居持中。
とする。(推梅園)
0194 二二七七~七九 所拒則不得不之卑 所を○で見せ消ちにした後、実に粗雑な字で何か
書いている。写本939、梅園全集、岩波版とも
に「被」となっているが、自筆本では何の字か分
からない。(推黄鶴)
0195 二三〇〇 天而星沫 沫を○で見せ消ちにした後、上に辰と書いている。
右上に何かの文字を書いて粗雑に消している。辰
沫の用例が小冊一三四九七にある。(推黄鶴)
0196 二三〇四 星沫由精 沫を○で見せ消ちにした後、下に辰と書いている。
共長其體者也 長をを○で見せ消ちにした後、右に久と傍記。
(推黄鶴)
0197 二三二四 仰不測之誠 誠を○で見せ消ちにした後、上に[玄少]と書いて
いる。(不明)
0198 二三三二 發機成跡共状也故 もと機發と書き、それを入れ換えるよう指示があ
る。指示の線の書き方、返り点・送り仮名からし
て梅園の訂正と判断し、指示通り語順を変え、發
機とする。故が○で見せ消ちにされている。岩波
版に故はない。(故見せ消ち、推黄鶴)
0199 二三三四 以貌其物故 ここでも故が○で見せ消ちにされている。岩波版
に故はない。(推黄鶴)
0200 二三三六~三七 則惟成常定之天 ○で見せ消ちにしているが、何の文字か分からな
い。消した○の中に収まる字を梅園の文字から探
すと、惟しか見当たらない。ここは惟としておく。
(推黄鶴)
0201 二三三八 居其宅則爲成没露 居を○で見せ消ちにし、右に閉と傍記。宅を○で
見せ消ちにし、右に室と傍記。(推黄鶴)
同閉其室 閉を○で見せ消ちにし、右に居と傍記。(推黄鶴)
0202 二三三九~四〇 觸其機而發 其を○で見せ消ち。(推黄鶴)
(参考。元の文)
二三三六~三七 全〇六一下・〇九 順流而往會來者則惟成常定之天
二三三八 全〇六一下・一〇 居其宅則爲成没露同閉其室
二三三九~四〇 全〇六一下・一一 觸其機而發開有者則爲變換之神
(参考。訂正後の文)
二三三六~三七 全〇六一下・〇九 順流而往會來者則成常定之天
二三三八 全〇六一下・一〇 閉其室則爲成没露同居其宅
二三三九~四〇 全〇六一下・一一 觸機而發開有者則爲變換之神
0203 二三六四~六五 氣之開物。自一而二。 この行の文、すべて○と棒線で見せ消ちにして、
道開一一。A昜對立。と傍記している。岩波版はこ
れを採る。(不明)
0204 二三六六~六七 二分相隔 二分まで前行とひと続きで○と棒線で見せ消ちにし、
對立と傍記している。岩波版は對立とする。(不明)
0205 二四〇七~〇八 氣能見其體 見を○で見せ消ちにして隠と傍記し、體を○で見せ
消ちにして性と傍記。岩波版は、氣能隠其性とす
る。(推黄鶴)
0206 二四一五~一六 名其貌 貌を○で見せ消ちにして跡と傍記。岩波版は、名其
跡とする。(推黄鶴)
0207 二四三七~三八 天常于動中 動を○で見せ消ちにして右に變と傍記。岩波版は、
變中とする。(推黄鶴)
0208 二四三九~四二 神能體於天 神を○で見せ消ちにして左に物と傍記。岩波版は、
物能體於天とする。(推黄鶴)
0209 二四五九 變不出常中 上の五文字を棒線で見せ消ちにして、變亦常矣と
いう文を右に傍記している。(推黄鶴)
0210 二四六〇~六二 其變者亦常定 常を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0211 二四六三 化者不復蘇是以。 是以の左に小さく常亦變矣と傍記し、變亦常矣
と対になるようにしている。(推黄鶴)
0212 二四八五~八六 桴槌同一物 槌を○で見せ消ちにして右に梃と傍記。岩波版は、
桴梃とする。(推黄鶴)
0213 二四八七~八八 苦甘則從其和 苦の右に而と傍記。二四八五~八六と並べると、落
字の補完に成っていることがわかる。(推黄鶴)
0214 二四九二 事物之所紛擾錯雜於條理整齋之中也。 所と紛の右に以を傍記。(不可。推黄鶴)
0215 二五〇〇 其以己遇物。 遇を○で見せ消ちにし、右に會と傍記。岩波版は、
會物とする。(推黄鶴)
0216 二五〇一 會父會子。 自筆に訂正の跡なし。岩波版では、于父于子。
0217 二五〇二 會君會臣。 同右。于君于臣。
0218 二五〇三 會雨會日。 同右。或雨或日。
0219 二五〇四 會夷會険。 同右。或夷或険。以上は、版下本作成段階での訂正
と思われる。(不可。推黄鶴)
0220 二五〇六 會異而才運別矣。是以。 是以。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0221 二五〇七~〇八 所爲天地異也。 所爲の右に以を、地と異の右に者を傍記。岩波版は、
所以爲天地者異也。とする。(不可。推黄鶴)
0222 二五一〇 水物死于陸故 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0223 二五二四 神態也於是 於是を○で見せ消ち。岩波版に於是はない。(推
黄鶴)
0224 二五四九 聲音之悦耳 悦を○で見せ消ちにして左に於と傍記。(推黄鶴)
0225 二五五〇~五一 文彩之悦目 同右。岩波版はともに於とする。(推黄鶴)
0226 二五六〇 莫所認于變焉是故。 是故。を○と棒線で見せ消ち。岩波版に、是故。
はない。 (推黄鶴)
0227 二五六三 故。動則往來運轉 故。を○で見せ消ち。岩波版に、故。はない。
(推黄鶴)
0228 二五八五 天命遂往來當遇之成功是以。 是以。を○で見せ消ち。岩波版に、是以。はない。
(推黄鶴)
0229 二五八八 歳運成于氣是故。 是故。を○で見せ消ち。岩波版に、是故。はない。
(推黄鶴)
0230 二五九四~九五 故。一氣一物。 故。を○で見せ消ち。岩波版に故。はない。
(推黄鶴)
0231 二六〇一 體成而物露 成を○で見せ消ちにして、右に立と傍記。岩波版
は、體立而物露とする。 (推黄鶴)
0232 二六〇二~〇三 用成而事露 成を○で見せ消ちにして、右に爲と傍記。岩波版
は、用爲而事露とする。 (推黄鶴)
0233 二六〇五 以一之剖而通故。 故。を○で見せ消ち。岩波版に、故。はない。
(推黄鶴)
0234 二六二八 故。植則冷止無意 故。を○で見せ消ち。岩波版に、故。はない。
(推黄鶴)
0235 二六三五 是以。上下内外。 是以。を○で見せ消ち。岩波版に、是以。はない。
(推黄鶴)
0236 二六五〇 意匠能有信否奉覆之事是以。 是以。を○で見せ消ち。岩波版に、是以。はない。
(推黄鶴)
0237 二六五一 定常之宅神誠旺其中 神を○で見せ消ち。次の行との対応からして、梅園
の書き損じかもしれない。(推黄鶴)
0238 二六五三 各各之所剖析。雖條理井然。 最初の文の之所を○で見せ消ち。次の文の雖を
○で見せ消ち。岩波版には、之所と雖はない。
(推黄鶴)
0239 二六五四 彼此之所交接。致運爲變錯。 最初の文の之所を○で見せ消ち。次の文の致を
○で見せ消ち。岩波版には、之所と致はない。
(推黄鶴)
0240 二六六二 水鼠見藁則藁勝水鼠流 藁勝水鼠の四文字を○と棒線で見せ消ち。
0241 二六六三 蛞蝓見鹽則鹽勝蛞蝓爛 鹽勝蛞蝓の四文字を○と棒線で見せ消ち。
ともに岩波版にはない。(推黄鶴)
0242 二六七九 有殺活予奪之事。是以。又。 是以。又。を○で見せ消ち。岩波版にはこの文
字はない。 (推黄鶴)
0243 二六八三 事以運爲變故。 故。を○で見せ消ち。岩波版に、故。はない。
0244 二七〇一 分則彼此相隔 隔を○で見せ消ちにし、相と隔の間に小さく反
と書き入れている。岩波版は、反とする。(推
黄鶴)
0245 二七〇八 是故。剖析之道。 是故。を○で見せ消ち。岩波版に、故。はない。
0246 二七一九 得偶而相合 而を○で見せ消ちにしている。ただし、次の行か
ら而が落字しているかもしれない。 (推黄鶴)
0247 二七二一 共居行其間。 共を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0248 二七三二 蓋。條理。經緯也。 蓋。を○で見せ消ち。岩波版に、蓋。はない。
(推黄鶴)
0249 二七四一 行者相交。是以。 是以。を○で見せ消ち。岩波版に、是以。はない。
(推黄鶴)
0250 二七四四 蓋。各物各體性 蓋。を○で見せ消ち。岩波版に、蓋。はない。
(推黄鶴)
0251 二七四九 而激雷霆是以。 是以。を○で見せ消ち。岩波版に、是以。はない。
(推黄鶴)
0252 二七五四 動植之所成于成具中。 所と成の右に以と傍記。岩波版は、所以成とする。
自筆元筆はレ点のみ。岩波版は、一二とする。
(不可。推黄鶴)
0253 二七六四 此則物之得偶而行其用也。 此則の二字を○で見せ消ち。岩波版に此則はない。
以下、岩波版にない場合は断らない。(推黄鶴)
0254 二七六七 此則物之得與而爲其用也。 此則の二字を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0255 二七六八 蓋其性類者相親 蓋を○で見せ消ち。
0256 二七六九 性反者相疏 疏を○で見せ消ちにして左に畏と傍記。岩波版は
相畏とする。(推黄鶴)
0257 二七七〇~七一 物之各立于天也 物と之の間に各と書いて○で見せ消ちにしている。
(不明)
0258 二七七二~七三 物之各立于地也 各を○で見せ消ちにしている。(不明)
0259 二七八〇 而事華葉子苗 事を○で見せ消ち。返り点も消している。(不明)
0260 二七八一 而事孳尾氄毛 同右。(不明)
0261 二七八二 故物。會偶則事於偶 故物。と事於を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0262 二七八三 會與則事於與 事於を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0263 二七八八 己已有成。則 この一文は、佗爲客。の左下に傍記されており、
次の文の冒頭になるよう、指示している。
(推黄鶴)
0264 二七九〇 有成己於此。 この文、細線にて見せ消ち。(推黄鶴)
0265 二七九〇 有成己於此。 この文、細線にて見せ消ち。(推黄鶴)
0266 二七九六~九七 而弗乏應衆大焉。 應が頁の最初に来るが、その上に小さく于と補記
している。ただし、應には、スルニと送り仮名が
あり、それは消されていない。岩波版のこの部分
の送り仮名は、スルである。従って、版下本作成
時の変更であると予想される。(推黄鶴)
0267 二八〇一 夫物已各立其體。 已を○で見せ消ちにし、立と體の間に小さく其と
補記している。(推黄鶴)
0268 二八〇九 其事益無窮也。 益を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0269 二八一二 己已成此天地。 地の後に小さく也と補記している。(推黄鶴)
0270 二八二五 ■爲己之用。則 この六文字を○で見せ消ちにして、小さく於是乎。
と書いている。■は以のようでもあるがほとんど
分からない。復元すると、
以爲己之用。■爲己之用。となり、同じ文が重
複すると思われるが、■が読めないので分からな
い。(推黄鶴)
0271 二八二六 物皆爲己之有矣。故 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0272 二八三五 故■袞袞之通則置漏立表 故■を○で見せ消ち。循のようでもあるが不明。
(推黄鶴)
0273 二八三六 ■坱坱之塞則建方定位 ■を○で見せ消ち。循のようでもあるが不明。
(推黄鶴)
0274 二八三九 時榮茂而下耕耘 下を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0275 二八四〇 相方穎而爲收穫 爲を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0276 二八六二 旋之於心思則悟惑 旋之の二文字を棒線と○で見せ消ち。(推黄鶴)
0277 二八六三~六四 旋之於設施則慕斁 旋之の二文字を棒線と○で見せ消ち。(推黄鶴)
0278 二八九五~九六 經變其行而往來生化 經變の右に小さく於是。と傍記している。
二八九〇~九一との対応から、落字を補ってい
ることがわかる。(可。不明)
0279 二九〇二 神爲變化機於當今者 當今者とある部分は、元筆の當が冠と口だけ
書いて田を書いておらず、続く將來とともに○
と棒線で見せ消ちにされており、その右に、
當今者と書かれているので、この訂正を本文
と看做す。 (可。推梅園)
0280 二九〇三 天成定止跡於既往者 止を○で見せ消ちにし、右に小さく認と傍記。
(推黄鶴)
0281 二九〇八 通往來 この文の前に、其氣を入れるよう、右に傍記
している。(推黄鶴)
0282 二九六三 物爲物 爲を○で見せ消ちにして、小さく成と右上に書
いている。筆致・訂正ともに粗略。岩波版は、
物成物とする。(推黄鶴)
0283 二九八七 故人。善惡成悦怨 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0284 二九九二 而其收其功焉。 而其の其を○で見せ消ち。(不明)
◆◆◆「天冊活部」超漢字版 復元終了 (2008/01/22)◆◆◆
【玄語 安永四年本 天冊立部 校異】
0285 三〇三九 是以。二則 是以と則を○で見せ消ちにして、文の形を整え
ている。訂正後は次のようになる。(不明)
以二鬱浡能活 混淪能立
以一鬱浡活混淪混淪立鬱浡
0286 三〇四五 混淪開之則天則地 天則を○と棒線で見せ消ちにして、右に、有容
之之と傍記し、則有容之之地という文を作っ
ている。(不明)
0287 三〇四六 鬱浡開之則神則天 則神を○と棒線で見せ消ちにして、右に、有有
之之と傍記し、則有有之之天という文を作っ
ている。(不明)
0288 三〇五二1 故物之所立則神是以神莫所不爲 三〇五二1と2は、○と棒線で見せ消ち
0289 三〇五二2 神之所活則天是以 莫所不有 にされている。2の莫の上は落字であろ
う。(不明)
0290 三〇五三 立則天亦地 立と則の右下に也と傍記。
0291 三〇五四 立則地亦天 立則を○と棒線で見せ消ちにし、左に活也則と
傍記し、これと入れ換えるように指示がある。
指示に従うと、
立也則天亦地
活也則地亦天
という対の文ができる。(不明)
0292 三〇七七 事而交接錯雜故 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0293 三〇八六 地物而活立神物故 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0294 三〇八九~九〇 神物之天者 もと神物之天とあるが、神と物を入れ換えるよ
う指示がある。岩波版はこれに従って、物神と
している。もとの読みは、神ヲ物ニスルノ天で
あり、語順を入れ換えた岩波版も、レ点を入れ
て同じ読みになるようにしている。(不明)
0295 三〇九七~九八 故天有神本。 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0296 三一〇六 資爲己之有。夫 夫を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0297 三一三二 地持自内護天 護を○で見せ消ちにし、右に營と傍記。岩波版は
營とする。(推黄鶴)
0298 三一四五 保營者 營を○で見せ消ちにして右に持と傍記。ただし
岩波版本文は変更されていない。岩波版の注を
参照のこと。
0299 三一四九 臣以奉君。其奉者外有以保。 以奉の以を○で見せ消ち。其奉者を○と棒線で
見せ消ち。以保の以を○で見せ消ち。岩波版は
臣奉君。外有以保。とする。(推黄鶴)
0300 三一五〇 内有以護。 以を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0301 三一五四 内有傅保之護。 護を○で見せ消ちにし、右に教と傍記。岩波版
は教とする(推黄鶴)
0302 三一五八 於是。君民一體。 於是。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0303 三一七三~七四 運其鬱浡之活 鬱浡を○で見せ消ちにし、右に精氣と傍記。岩
波版は精氣とする。 (推黄鶴)
0304 三一八一 是以。景者 是以。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0305 三一八三 是以。水生燥中 是以。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0306 三一八五 火食噏則湿生 食噏をともに見せ消ち。岩波版は、次の行に
合わせて食を削り、火噏則湿生としている。
この部分の梅園の送り仮名は汚れのせいか読
みづらいが、重複していることは確かなので
おそらく書き損じであろう。(可。推黄鶴)
0307 三一九八~九九 是以。動植同有保營 是以。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0308 三二二二 散者依成故 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0309 三二二七 鱗換之體 鱗を○で見せ消ちにして右に轉と傍記。字は
粗略。 (推黄鶴)
0310 三二三〇 盲小造化 訂正はないが、岩波版では、區小造化なって
いる。おそらくは版下本作成時の書き換え。
(推黄鶴)
0311 三二五九~六一 則精麁本一 行末になる則精の右に隠見雖隔と傍記し、
善觀。則隠見雖隔
精麁本一
となるようにしている。岩波版はこれを採用。
(不明)
0312 三二六二 氣物爲體用 氣物を○で見せ消ちにして右に活立と傍記。
岩波版は活立とする。(推黄鶴)
0313 三二六三 性體爲性才 性體を○で見せ消ちとして、右に幹運と傍
記。岩波版は幹運とする。(推黄鶴)
0314 三二六六 性體之者廼精 體を○で見せ消ちにして幹と傍記。岩波版
は幹とする。(推黄鶴)
0315 三二六七 性運之者廼神 性を○で見せ消ちにして才と傍記。岩波版
は才とする。(推黄鶴)
0316 三三〇五 是以。象質者 是以。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0317 三三三九 二一則反性而歸一 【訂正朱筆】歸一を○で見せ消ちにし、右
に相容と傍記。岩波版は相容とする。
(推黄鶴)
0318 三三四〇 孰見歸一之痕 【訂正朱筆】歸一を○で見せ消ちにし、右
に相容と傍記。岩波版は相容とする。
(推黄鶴)
0319 三三四三 相交而性相通 【訂正朱筆】交を○で見せ消ちにし、右に
容と傍記。岩波版は容とする。(推黄鶴)
0320 三三五〇 感偶欲 【訂正朱筆】偶欲を墨の○で見せ消ちに
し、朱筆で右に分求と傍記。岩波版は分
求とする。 (推黄鶴)
0321 三三七七~七八 故自一之所通而觀之。 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0322 三三八九 不測者變化之氣於是乎。 於是乎。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0323 三四〇四 對待反氣物是以。 是以。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0324 三四〇九 小物有意智情欲 有と爲が重ね書きされており、さらに○で
見せ消ちにし、右に爲と傍記している。有
の筆致がしっかりしていることから、有を
本文中の文字とする。岩波版は爲とする。
(推黄鶴)
0325 三四一二 人之境之所開也。 人之の之を○で見せ消ち。所と開の右に以
と傍記。岩波版は、人境之所以開也。とす
る。 (推黄鶴)
0326 三四一七 故聲之與同異。 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0327 三四一八 故神靈情欲。 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0328 三四二七 物之一莫一於合故 【訂正朱書】一をふたつとも丸で見せ消ち
にして同に換えている。岩波版は、物之同
莫同於合とする。故を○で見せ消ち。
(推黄鶴)
0329 三四三二 莫不隔之物 莫を○で見せ消ちにして右に無と傍記。
0330 三四三三 莫不通之才 莫を○で見せ消ちにして右に無と傍記。
岩波版は、無とする。(ともに推黄鶴)
0331 三四三五 蓋神之通 蓋を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0332 三四四〇 莫不二之體 莫を○で見せ消ちにして右に無と傍記。
0333 三四四一 莫不一之性 莫を○で見せ消ちにして右に無と傍記。
岩波版は、無とする。(ともに推黄鶴)
0334 三四五一 以耿耿擬彼鬱浡 以の上に神を入れるよう指示がある。落字
の補完であろう。(推梅園)
0335 三四五五 故天以無意之神靈情欲而給 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0336 三四五九 則天亦冥于人 冥を○で見せ消ちにして否と右に傍記。た
だし岩波版本文は冥としており、版下本訂
補にこの訂正があることが記されている。
(推黄鶴)
0337 三五〇一 是以。天地 是以。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0338 三五〇二 蓋對有偶與。 蓋を○で見せ消ちにし、右に而と傍記。
(推黄鶴)
0339 三五〇三 以分親疏。於是。 於是。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0340 三五一五 目成綱故 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0341 三五一六~一七 則真之偶者 之偶を○と傍線で見せ消ちにし、偶之と右
に傍記し、則の下に入れるように指示して
いる。岩波版はこれを採用し、則偶之真者
としている。
0342 三五六八 精麁異態。其機無佗。是以。 是以。を○と傍線で見せ消ち。(推黄鶴)
0343 三五八〇 相戕賊是以。 是以。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0344 三五八二 地異乎天之定常是以。 是以。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0345 三五八五 故鬼神之跡。 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0346 三五八九 是故天事者暦。 是故を○で見せ消ち。暦も見せ消ちにして
いるが版下本本文にはある。(推黄鶴)
0347 三五九一 雖聖者有所不知也。若夫 欄外に粗略に書き込まれている。(推黄鶴)
0348 三五九六 而互小物之變化。 而互を○で見せ消ちにして、煩瑣な書き消
しがあり、而互を乃至に置き換えるよう指
示している。岩波版はこれに従い、乃至小
物之變化。としている。而は甚だ読みづら
い(ぺりかん社版二七四頁最後の行参照。)
0349 三六〇六 以持而易焉 焉を○で見せ消ち。これは梅園の書き損じ
であろう。(可。推黄鶴)
0350 三六二三 其變者以應是以。 是以。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0351 三六二五 徳具于知運是以。 是以。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0352 三六五〇 鐘鼓以侌晴而不同清濁 鼓の右下に之音、左下に之声と傍記。いず
れも消していない。岩波版は、いずれも採
らず、全集版は之聲とする。かつ不同を
○と棒線で見せ消ちにしている。(推黄鶴)
0353 三六五一 諸肉由鮮腐而毎殊腥臭 肉の右下に之味と傍記。岩波版はこれを採
らず、版下本訂補にあると注に記している。
前行と対を作ろうとしたことがわかる。
かつ腐而を○で見せ消ちにしている。
(推黄鶴)
0354 三六六三 嗜苦之人不勝于甘 勝于を○と棒線で見せ消ちにして喜と傍記。
0355 三六六四 嗜甘之人不勝于苦 勝于を○と棒線で見せ消ちにして喜と傍記。
岩波版では、不喜甘不喜苦の対になる。
(推黄鶴)
0356 三六九〇 而後營養行居。有求與屏。 而後を○で見せ消ち。かつ、屏を○で見せ
消ちにしてごく小さく右に去と傍記。岩波
版は、有求與去。とする。 (推黄鶴)
0357 三七〇八 竟己有意。 竟を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0358 三七二八 琥珀不引鐵 引を○で見せ消ちにして噏と傍記。岩波版
は、不噏鐵とする。(推黄鶴)
0359 三七二九 彼此互向背。 互を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0360 三七三二 乃所呼則應之 乃をを○で見せ消ちにして卽と傍記。岩波
版は卽とする。(推黄鶴)
0361 三七四三 喜引於色 色を○で見せ消ちにし、左下に悦と傍記。
岩波版は、喜引於悦とする。(推黄鶴)
0362 三七六九 是故。地則鬼神伸用之地。 是故。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0363 三七七三 終以之爲己之用是以。 是以。を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0364 三七八七 以己瞞物 瞞を○で見せ消ちにして、右に慢と傍記。
岩波版は、慢物とする。(推黄鶴)
0365 三七九九 寄生得蜷而居 生を○で見せ消ちにして居と傍記。岩波
版は、寄居とする。(推黄鶴)
0366 三八〇五~〇六 故以人造言之。 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0367 三八〇八 故呼則應焉 故を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0368 三八〇九 爲背感應 背を○で見せ消ちにして逆と傍記。岩波
版は、逆感應とする。(推黄鶴)
0369 三八一四 神意爲使之 意を○で見せ消ち。(推黄鶴)
0370 三八二三 是以其然也。 其を○で見せ消ち。これ以後、天徳幽邃
まで、本文の文字も訂正の仕方も訂正の
文字も粗雑になる。(不明)
0371 三八六二 氣體體性者 上の體を○で見せ消ちにして右に物と傍記
している。書き損じの訂正であろう。岩波
版は氣物體性としている。(可。推黄鶴)
0372 三八六五 是以。性具體 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0373 三八六六 體用性故 故を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0374 三九〇四 是以。非侌昜 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0375 三九〇四 是以。非侌昜則不能一一氣物之其體 是以。と其を○で見せ消ち。
(推黄鶴)
0376 三九〇五 非天地則不能氣物一一之其性 其を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0377 三九〇六 是以性由體而立 是以を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0378 三九一六~一七 是以。其於物。 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0379 三九三三 是以。一經一緯 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0380 三九五四 所身之居焉 所を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0381 三九五五 所居而不知其天 所を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0382 三九八六~八七 華發物表隠發以其神而活 發をふたつとも○で見せ消ちにし、右に見
と傍記している。訂正の特徴からして梅園
の筆と思われる。
0383 三九九四 物生而未化之間經之於己之有者也 この二行を次のように改竄している。
0384 三九九五 己成而非佗之中緯之於己之有者也 訂正の特徴からして黄鶴と思われる。
物生而未化之間是己之經也
己成而與佗別矣是己之緯也
0385 四〇二四 雖其各所專則異。 各を○で見せ消ち。かつ則を○で見せ消ち
にして右に各と傍記。岩波版は、
雖其所專各異。とする。 (推黄鶴)
0386 四〇三一 一移居散。故 故を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0387 四〇三九 用之者英故 故を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0388 四〇四八 萬物所給 所給を○と棒線で消して被有としている。
文字は粗雑。(推黄鶴)
0389 四〇五二 依己之知之易通。通其知之所難。 己之知之と、通。通其知之所を○と棒
線で見せ消ちにして依易知難。という文
に縮めている。岩波版は、これを採用。
消された文はやや読みづらい。ぺりかん
社版上巻二九二頁参照。 (推黄鶴)
0390 四〇七九 是以。没而本根 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0391 四〇八一 是以。物者 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0392 四〇八三 是故。神者 是故。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0393 四〇九五 則持者不所保 所を○で見せ消ちにして右に能と傍記。
(推黄鶴)
0394 四一〇八 是以。一經一緯。 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0395 四一一〇 故。氣物給資 故。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0396 四一一二 靡居非天地 居を○で見せ消ちにして、小さく粗雑な
字で立と傍記。岩波版は立とする。
(推黄鶴)
0397 四一二四 隠于本露于物 隠を○で見せ消ちにして、右に没と傍記。
岩波版は没とする。 (推黄鶴)
0399 四一三四 子苗閉絪縕。 子苗を○と棒線で見せ消ちにして、右に
胎實と傍記。岩波版は、胎實とする。
(推黄鶴)
0400 四一三八 雖日影水燥爲絪縕之具於動植。 この文、○と棒線ですべて抹消。
(推黄鶴)
0401 四一三九 皆絪縕於一一而成。 皆の右上に亦と傍記。成の右下に者也と
傍記。岩波版は行頭を亦、行末を者也と
する。(推黄鶴)
0402 四一五五 則一也。是以。 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0403 四一六七 然則翅子苗之於動植哉。 翅を○で見せ消ちにして、右に特と傍記。
(推黄鶴)
0404 四一六九 天以給于地地以給于天 本文を二行に分ける。文中の四つの以を
天以資于地地以資于天 すべて○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0405 四一七六 是以。以地資天 其地亦天也 是以。を○で見せ消ち。
0406 四一七七 以天資地而其天亦地也故 而を○で見せ消ち。前行の落字か
もしれない。 (ともに推黄鶴)
0407 四一八〇 是故。火必以侌湿而熾 是故。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0408 四一九五 没亦資露於此。 於此。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0409 四二一〇 火之能居炭薪乾者火之化早 能と薪を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0410 四二一一 薪湿者火之持久 薪を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0411 四二二一 非水火獨然。是故。 是故。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0412 四二二七 是以。絪縕者造化之營 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0413 四二三四 具爲無佗也。 具爲を○で見せ消ちにして亦と傍記。
岩波版は、亦無佗也。とする。ただし
具爲は甚だ読みづらい。他の文字の可
能性もある。 (推黄鶴)
0414 四二四〇 故成而不營 故を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0415 四二四五 行者覆焉是故。 是故。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0416 四二五四~五五 觀保護持守之立 護を○で見せ消ちにして右に營と傍記。
引き線が梅園のものに似ているが、判
断できない。岩波版は、保營とする。
(不明)
0417 四二八一 亦與殪覆不畫 不畫を○で見せ消ちにして代謝と傍記。
畫は甚だ読みづらい。 (推黄鶴)
0418 四二八四 如有痕無痕相隔。 如を○で見せ消ちにし、痕の間に如を
入れるよう指示している。岩波版は、
有痕無痕如相隔。とする。 (推黄鶴)
0419 四二八九 神爲天成是以。 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0420 四二九三~九四 是以。天地以保持立 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0421 四三〇四 是以。其境 以清濁動止而剖 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0422 四三〇五 其物則以乾潤明暗而分 則を○で見せ消ち。前行の落字
かもしれない。 (推黄鶴)
0423 四三一九~一〇 是故。動植同有身生。 是故。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0424 四三二一 身立其地於緯塞 身を○で見せ消ち。確かにここは記述
の形式と内容からみて、字余りのよう
に思われる。 (推黄鶴)
0425 四三四四 保護於内外。 護を○で見せ消ちにして下に營と書い
ている。 (推黄鶴)
0426 四三四五 持守於上下。於是。 於是。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0427 四三五〇 是以。大小。所有不異 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0428 四三八四 故我亦有天地天神是以。 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0429 四四一一~一四 而資之於養則同焉是故。 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0430 四四二二 人則以息食之保營而繼持是以。 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0431 四四二三 所往皆然。 前行の是以を見せ消ちにしたあと、こ
の四文字を書き足している。筆致粗略。
岩波版にはこの文がある。 (推黄鶴)
0432 四四二七 人則行用足是故。 是故。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0433 四四二九 物則有聲色臭味於外 有を○で見せ消ちにして右に置と傍記。
岩波版は、置とする。 (推黄鶴)
0434 四四三四 蛇并足於腹 并を○で見せ消ちにして右に兼と傍記。
岩波版は、兼とする。 (推黄鶴)
0435 四四三八 内衛外護 衛を○で見せ消ちにして右に營と傍記。
岩波版は、衛とする。 (推黄鶴)
0436 四四九七 物相隔 隔を○で見せ消ちにして右に分と傍記。
岩波版は、分とする。 (推黄鶴)
0437 四五一四 前火非後火後水非前水。是以。 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0438 四五二四 氣物之相通也。於是。 於是。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0439 四五四九 莫不從其動者 莫を○で見せ消ちにして右に無と傍記。
0440 四五五〇 莫不住其止者故 同じく莫を○で見せ消ちにして右に無と
傍記し、故を○で見せ消ち。岩波版は莫
を無とし、故を省く。 (推黄鶴)
0441 四五五九 於是。物來向後 於是。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0442 四五六一 時則向前而生而後從而化 而を○で見せ消ちにして右に向と傍記し、
從を○で見せ消ち。岩波版・全集版では、
時則向前而生向後而化
物則向後而生過今而化故
となって一見きれいな対になっているが、
文意を損ねている。 (推黄鶴)
0443 四五六六 有涯于緯者無涯于經是以。 無を○で見せ消ちにし、右に有と傍記。
岩波版は、有涯于經とする。(推黄鶴)
0444 四五九八 向將者。會去于既者。故 去を○で見せ消ちにして右に進と傍記。
版下本本文には去を採用し、訂補に進と
ある。岩波五四三頁注参照。
(不可。推黄鶴)
0445 四五九九 没前後。而露會於今。 會を○で見せ消ちにして右に今と傍記し、
今を○で見せ消ちにして右に會と傍記。
岩波版は、而露今於會。とする。
(不可。推黄鶴)
0446 四六〇九 物雖能立於緯而 雖を○で見せ消ち。而を○で見せ消ち。岩
波版にはないが、全集版にはある。なお、
四六〇一~四六二四は、ぺりかん社版下巻
二五九頁附箋33番で、「注 下ニ入ル」
と書かれており、やじろべえのような記号
によって挿入箇所を示している。
(本文に組込む。見せ消ちは推黄鶴)
0447 四六二五 是以。氣聚而物結 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0448 四六四八 是以。幽明則神之地 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0449 四六五三 無之幽 幽を○で見せ消ちにして、左に有と傍記。
岩波版は有とする。
(推黄鶴)
0450 四六五七 是以。物。 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0451 四六六〇 是以。神發則明 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0452 四六六二 是以。我之居天地。 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0453 四六七九 共一氣之通也。 共を○で見せ消ちにして右に皆と傍記。
岩波版は皆とする。 (推黄鶴)
0454 四六八四 可觀一氣之所通也。 所を○で見せ消ち。岩波版は一氣之通と
するが、全集版は一氣之所通としている。
0455 四六九三 生生之頤邃 頤を○で見せ消ちにして、右上に理と傍
記。頤は、頤(い。おとがい)ではない
かもしれない。岩波版は理とする。
(推黄鶴)
0456 四七〇三~〇四 火爲木爲薪 爲を○で見せ消ちにして、右に以と傍記。
岩波版は火以木とする。 (推黄鶴)
0457 四七〇七 故水依無體之火而爲命 故を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0458 四七〇九 故山爲艸木之多而不加高 故を○で見せ消ち。不を○で見せ消ちに
して山と爲の間に小さく不と書き込んで、
故山不爲艸木之多而加高としている。
岩波版は、これを採用している。
(推黄鶴)
0459 四七一〇 海爲沙石之降而不加淺 故を○で見せ消ち。不を○で見せ消ちに
して海と爲の間に小さく不と書き込んで、
海不爲沙石之降而加淺としている。岩
波版は、これを採用している。(推黄鶴)
0460 四七一一 是以。經居緯 是以。を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0461 四七三四 而化化不忌 忌を○で見せ消ちにして、右に已と傍記。
岩波版は已とする。 (推黄鶴)
0462 四七四三 古之天地更新 更を○で見せ消ち。全集にはある。
0463 四七四四 今之天地更故 更を○で見せ消ち。全集にはある。
(ともに、推黄鶴)
0464 四七四九 生氣病則化氣動 動を○で見せ消ちにして、左に壯と傍記。
0465 四七五〇 生氣盡則化氣旺 盡を○で見せ消ちにして、左に衰と傍記。
岩波版は、版下本訂補にありと注にある。
(ともに、推黄鶴)
0466 四七五三 故諸味之在鼎中。 故を○で見せ消ちにして、蓋と右に傍記。
岩波版は、蓋とする。 (推黄鶴)
0467 四七五四 其執無不貫徹而各各能成其味。 ○と棒線で全文を見せ消ちにして、右に
同受烹熟于火熱。而成味於各各。と傍記。
岩波版は、これを採用する。 (推黄鶴)
0468 四七六一 被薫蒸者也。故 文頭に小さく同と書き入れあり。岩波版
は、同被薫蒸者也。とする。 (推黄鶴)
0469 四七六二 剖各其物。則氣亦各也。 剖各を棒線で見せ消ち。則の前に各、氣
の前に其を入れる。前行と合わせると岩
波版は、
同被薫蒸者也。雖同被薫蒸其物各。則
其氣亦各也。
となる。 (推黄鶴)
0470 四七七二 夫物各有諸偶。 諸を○で見せ消ち。ただし、岩波版本文
にはあり。版下本訂補に偶とあることが
注に示されている。ひとつの物は他の物
と種々の偶関係を形成するから、諸偶が
妥当である。 (不可。推黄鶴)
0471 四七九九 雖其事無窮。 雖を○で見せ消ち。かつ、事を○で見せ
消ちにして、右に變と傍記。無窮の前に
雖を書き入れて、其變雖無窮。という文
を作っている。岩波版はこれを採用。
(推黄鶴)
0472 四八〇三 縕運而變焉 縕を○で見せ消ち。前行と字数をそろえ
ようとしたのであろう。(不可。推黄鶴)
0473 四八〇七 通氣之旺衰也。 通氣の右に不出と傍記し、引き線で、こ
れを文頭に加えるよう指示がある。岩波
版は、不出通氣之旺衰也。とする。
(推黄鶴)
◆◆◆「天冊立部」超漢字版 復元終了 (2008/02/09)◆◆◆
【玄語 天明浄本 地冊没部 校異】
0474 四八六八 覆載■文章 ■を朱の□で見せ消ちにして右に具と傍
記。消された文字はほとんど読めないが、
安永四年本地冊没部(ぺりかん社版上巻
三三七頁)に「覆載贍文章」という書き
込みがあり、かつ元字の送りがルである
ことから「贍」かもしれないが、字体が
どうも合わない。しばらく具を以て代用
するほかない。 (推黄鶴)
0475 四八七一 没中則能剖對 則能を朱の□で見せ消ち。 (推黄鶴)
0476 四八七二 露中則能通塞 則能を朱の□で見せ消ち。 (推黄鶴)
0477 四九〇二 今者活于時者也故 故を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0478 四九〇六 運者能見故 故を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0479 四九一一 既已露物 既已を○で見せ消ちにし、右に纔能と傍
記。岩波版は纔能とせず、訂補にありと
注記。 (不明)
則雖小之小 (ここは訂正なし。)
猶能破之唯 能を○で見せ消ちにし、右下に可と傍記
して、破の下に也を書き足している。さ
らに唯を朱の□で見せ消ちにし、右に朱
で而と傍記。 (不明)
0480 四九一二~一四 中則不可破也 也を○で見せ消ち。黒ゴマの傍点を破
に振る。 (不明)
0481 四九一五 猶能剖之唯 能を○で見せ消ちにし、右下に可と傍記
して、破の下に也を書き足している。さ
らに唯を朱の□で見せ消ちにし、右に朱
で而と傍記。 (不明)
0482 四九一六~一八 今則不可剖也 也を○で見せ消ちにして、白ゴマの傍
点を剖に振るが、岩波版本文には也があ
り、訂補に削除と注記がある。 (不明)
以上を書き下ろし直後の文と比較する。文意を損ねてはいないが、版下本をもとにし
た梅園全集版、岩波版の「玄語」が甚だいかがわしいものであることがわかる。自筆
稿本には朱の訂正あり、墨の訂正あり、版下本文に反映された訂正あり、反映されな
かった訂正ありで、実に滅裂である。何よりも重要なことは、訂正者が、梅園か黄鶴
かわからないことである。私も含め、大方の研究者はこれをみな梅園の訂正と思い込
んできたのである。仮にこれが梅園の訂正であるとしても、版下本文への採用不採用
の段階において、黄鶴の判断が介入している。基礎的な文として採用できるのは、梅
園が書いたことが確実な訂正前のものだけである。
【書き下ろし直後】
四九一一 既已露物則雖小之小猶能破之唯
四九一二~一四 中則不可破也非不可破者奚得載天地而不撓
四九一五 既已刻頃則雖短之短猶能剖之唯
四九一六~一八 今則不可剖也非不可剖者奚得湊萬露而弗遺
【岩波版(版下本文)】
四九一一 既已露物則雖小之小猶可破也而
四九一二~一四 中則不可破非不可破者奚得載天地而不撓
四九一五 既已刻頃則雖短之短猶可剖也而
四九一六~一八 今則不可剖也非不可剖者奚得湊萬露而弗遺
0483 四九二四 物莫所不露 露を朱の□で見せ消ちにし、右上に同じく
朱で體と傍記。岩波版は、體とする。
(不明)
0484 四九二六~二六 而中則乘載之所在也故 故を朱の□で見せ消ち。 (不明)
0485 四九九五 後所遇而去者 者を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0486 五〇〇二 莫非通者 虫食いのせいか、莫がかすれている。右に
無と傍記されている。岩波版は、無非通者
とする。 (推黄鶴)
0487 五〇〇三 雖莫往非生化者。 者を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0488 五〇〇五 則其痕各不同也。 跡を朱の○で見せ消ちにして、同じく朱で
痕と右上に傍記。 (不明)
0489 五〇〇七 無痕于生化故 故を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0490 五〇一一 爲化則不及而息故 故を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0491 五〇二六~二七 吐之噏之者則露故解者遊于外 者則を朱の□で見せ消ちにし、之處而
と朱で右に傍記し、朱の引き線で之と
露につなぐよう指示している。この引
き線は梅園のものである。(可。梅園)
かつ、于を墨の○で見せ消ち。これは
次行との釣り合いからすれば、妥当で
ある。 (可。推黄鶴)
0492 五〇四二~四三 時者時氣也 時の上に朱で其と書き入れ、下に同じく朱
で則と書き入れている。かつ、者を朱の□
で見せ消ち。氣を朱の□で見せ消ちにして、
右上に期と書いている。これによって、前
行と同じ形の文となり、次のような形式的
な対ができる。
其物則天地也(以下略)
其時則時期也(以下略) (不明)
0493 五〇五三 故其爲物也大而 故其爲物也大の六文字を朱の□にて見せ
消ち。 (不明)
0494 五〇五四 故其爲物也小 故其爲物也小の六文字を朱の□にて見せ
消ち。 (不明)
0495 五〇五五 故其爲期也長而 故其爲期也長の六文字を朱の□にて見せ
消ち。 (不明)
0496 五〇五六 故其爲期也短而 故其爲期也短の六文字を朱の□にて見せ
消ち。 (不明)
0497 五〇六〇 夫人以一小物得一短期 夫と一小物、一短期の一を○で見せ消ち。
岩波版は、人以小物得一短期とする。
(推黄鶴)
0498 五〇七九 對子而呼父。各有所會也。 各有所會の四文字を○で見せ消ち。前文末
尾の父と也を引き線で結び、對子而呼父也。
という文を作っている。 (推黄鶴)
0499 五一二一 持物常換其體 常を○で見せ消ちにして、右に墨で毎と傍
記。岩波版は毎換とする。虫食い後の修正
と筆致が近いことから、年月の経過が窺わ
れる。 (推黄鶴)
------------------------------------------------------------------------------------------
五一二二 大物容小物 ここより五一九九行までPA346~347からの転記。
字は黄鶴のもの。梅園が筆写させたのであろう。
書体は、PB333~334を参照のこと。安永四年本の
訂正が、天明浄本に反映されている例が見受けら
れる。ということは、この部分の訂正が梅園のも
のであるにせよ、黄鶴のものであるにせよ、梅園
が意図した訂正であり、六十代半ばの父梅園と二
十代前半の息子黄鶴のコラボレーションがあった
ことがわかる。その意味で、貴重な頁である。
------------------------------------------------------------------------------------------
0500 五一二六 而不露其跡 跡を朱の□で見せ消ちにして、痕と傍記。
岩波版は痕とする。 (不明)
0501 五一二八 生化之跡顯也 跡を朱の□で見せ消ちにして、痕と傍記。
岩波版は痕とする。 (不明)
0502 五一四二 蓋萬物居大物 蓋を朱の□で見せ消ちにして、右に朱で而
と傍記。岩波版は而とする。 (不明)
0503 五一四四~四五 地塊焉一圓物故下能爲上西能爲東
故を朱の□で見せ消ち。 (不明)
0504 五一八一~八二 時悠焉一直氣故轉前爲後收生爲化
故を朱の□で見せ消ち。 (不明)
なお、この二行はほぼ一頁ほどの割り注を挟んで対になっている。安永
本には「時」に白ごまの傍点があるが、黄鶴が転記した天明浄本には、
この白ごまの傍点がない。黄鶴の見落としである。父梅園も確認の時に
見落としている。もし確認していないとしたら梅園の不注意である。確
認したと思われる形跡が誤字の訂正に見られる一方、「不可剖」を「不
可部」とした転記ミスに対して、部を明確に消さず、朱で剖と右上に書
くにとどまっている。もし梅園ならば、単なる誤字に遠慮するはずがな
い。したがって、朱筆のこの部分の訂正は梅園ではない可能性が高い。
したがって、梅園が確認作業を疎かにした可能性が高い。朱の訂正は梅
園ではなく、この時点での黄鶴でもなく、後年の黄鶴の可能性もあり、
他の第三者の可能性もある。写本939の当該部分は「不可剖」となっ
ている。したがってこの写本の成立年代が問題になる。「玄語」は長年
月にわたって二重三重に訂正されており、まことに錯雑としている。こ
こからしても、自筆元筆の復元以外に、「玄語」本来の姿を知る手段が
ないことがわかる。
0505 五二〇三 以後觀今。則今胡不鴻濛焉。 鴻濛焉を○と棒線で見せ消ちにして、然哉
としている。筆致粗略。則今を同じく見せ
消ちにして、右に亦と傍記。岩波版は、
以後觀今。亦胡不然哉。
とする。なお、今の白丸の傍点が岩波版に
はない。版下本作成時の欠落か、岩波版の
欠落である。 (推黄鶴)
0506 五二二〇~二一 智不知無際容有際 智を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0507 五二三二 風雷雲雨木壽豊倹者 風の右上に朱で起と書き入れ。雷雲を朱の
○で見せ消ちにして、雲の下に朱で行と小
さく書き入れ。木壽豊倹を朱の○で見せ消
ちにして爲和爲戻と左に傍記。岩波版は、
起風行雨爲和爲戻者
とする。 (不明)
0508 五二四九~五〇 暦之所起也 所と起の間に以を書き入れ。岩波版は、所
以起とする。 (推黄鶴)
0509 五二五一~五二 壽之所用也 所と起の間に以を書き入れ。岩波版は、所
以用とする。 (推黄鶴)
0510 五二五三~五四 天有長短之各期 之と期の間に各と書き入れ、対の行と字数
を揃えている。 (不明)
0511 五二五八 人巧欲窮接物之方 方を○で見せ消ちにして、左に法と傍記。
岩波版は、接物之法とする。 (不明)
0512 五二六五 實者近沈 近を○で見せ消ちにして、右上に深と傍記。
岩波版は深沈とする。 (推黄鶴)
0513 五二六六 遠浮近沈共露而 近を○で見せ消ちにして、右上に深と傍記。
岩波版は深沈とする。 (推黄鶴)
0514 五二六八 載之微露此曠大 載を○で見せ消ちにして、右に中と傍記。
岩波版は、中之微とする。 (推黄鶴)
0515 五二八三 跡收而不已 而を○で見せ消ちにして、前行の機發不絶
と字数を揃えている。 (推黄鶴)
0516 五二九八 共資頃於此 共を○で見せ消ち。 (推黄鶴)
0517 五三〇〇 則定歳定日 定日の定を○で見せ消ちにして、右に立と
傍記。岩波版は、定歳立日とする。
(推黄鶴)
0518 五三〇一~〇二 爲歳 歳の右上に一と書き、歳につなぐよう引き
線で指示している。岩波版は、爲一歳と
する。 (推黄鶴)
0519 五三一三 短期不崇夕 期と不の間に朝と書き入れているが、それ
が虫食いで読みづらくなったので、右下に
同じく朝と書いている。書き直しの字は小
さく見づらい。最初の朝が梅園の書き込み
で、その書き直しが黄鶴ということもあり
うる。岩波版は朝あり。 (不明)
0520 五三一九 蓋天地大而全矣 この七文字すべてを朱の□で抹消削除。
(推梅園)
0521 五三二〇 萬物散而小矣 而と矣を朱の□で見せ消ちにし、小に朱で
白丸の傍点を付けている。これに続いて、
居一大全物。と朱で書き、朱の引き線でつ
ないでいる。したがって、元筆では前行と
合わせて、
蓋天地大而全矣
萬物散而小矣
という白ごま・黒ごまの傍点の対になって
いた文が、
萬物散小。居一大全物。
という白丸傍点の文に変わっている。訂正
の仕方、引き線は梅園のものと思われる。
岩波版は削除後の文を採る。 (推梅園)
0522 五三四一 而能久 久を○で見せ消ちにして、右下に長と傍記。
岩波版は長とする。 (推黄鶴)
0523 五三五二 人紀其事曰暦 人を○で見せ消ち。対のかたちを整えるの
ならば、五三五五行に人を補ってもよい。
(推黄鶴)
0524 五三七三 位者所立之地也 地を朱の□で見せ消ちにして、右に基と傍
記。岩波版は基とする。 (推梅園)
0525 五三七八 雖依著異。 雖を○で見せ消ちにして、著異の右に書き
入れ、依著雖異。としている。岩波版はこ
れを採る。 (推黄鶴)
0526 五三九二 而物以立此 此を朱の□で見せ消ち。 (推梅園)
0527 五三九三 而氣以行此 此を朱の□で見せ消ち。 (推梅園)
0528 五三九六~九七 共其精者也。 共を○で見せ消ちにして、左に並と傍記。
岩波版は並とする。 (推黄鶴)
0529 五四〇三~〇四 而處其位 處を朱の□で見せ消ちにして、右に居と傍
記。岩波版は處とする。 (推梅園)
0530 五四一三 物何以立焉。 立を朱の○で見せ消ちにして、右に成と傍
記。岩波版は、成とする。 (推梅園)
0531 五四三〇 方者氣之所向 氣を朱の丸で見せ消ちにして、右に神と傍
記。岩波版は、神とする。 (推梅園)
0532 五四三二 方定而氣運其中 氣を朱の□で見せ消ちにして、右に神と傍
記。岩波版は、神とする。 (推梅園)
0533 五四三五 成形者 形を○で見せ消ちにして、右に外と傍記。
岩波版は外とする。 (推黄鶴)
0534 五四四〇 與時今之行古今偶也。 古今の二文字を○で見せ消ち。ただし、岩
波版本文では抹消されておらず、版下本訂
補にありと注記されている。 (推黄鶴)
0535 五四五二 莫物不載者 者を○で見せ消ち。
莫物不載者之故天地乘之而止者之を○で見せ消ち。者の左には焉と傍記
されているが、傍記の焉は岩波版には反映
されていない。 (推黄鶴)
0536 五四五六 莫物不容者 者を○で見せ消ち。
莫物不容者之故天地居之而立者之を○で見せ消ち。者の右には焉と傍記
されているが、傍記の焉は岩波版には反映
されていない。 (推黄鶴)
0537 五四六一 轉心貫中於兩端 貫を朱の□で見せ消ちにして、右に朱で達
と傍記。岩波版は達とする。 (推梅園)
0538 五四六一~六二 可外者合縫於半之地 可を○で見せ消ち。之地を○と棒線で見せ
消ちにして、右に腹と傍記。岩波版では、
外者合縫於半腹となる。 (推黄鶴)
0539 五四七〇 轉守爲中端 爲を朱の□で見せ消ちにして、右に朱で極
と傍記。岩波版は、極とする。 (推梅園)
0540 五四七三 自斜言之。 自と言を朱の□で見せ消ちにしている。書
き込みは墨で斜と言の間に小さく中、言の
右に觀とあり、墨の線で之につないで、
斜中觀之。という文を作っている。不可解
なのは、見せ消ちと書き入れで朱と墨の違
いがあることである。もし、抹消が梅園で、
書き込みが黄鶴と仮定した場合、梅園が意
図した文は、
斜之。規中能守
守外能轉
であったことになる。 (不明)
0541 五四七八 北外環守 守を朱の□で見せ消ちにし、外と環の右に
朱で轉と書いている。送り仮名のス、環の
白ごまの傍点も朱である。ただし、轉を外
と環の間に入れるよう指示している引き線
は墨である。これから推測するに、朱の訂
正はやはり梅園、墨の訂正や引き線などは、
黄鶴と見るのが妥当であろうと思われる。
(推梅園)
0542 五四八三 東南則轉之動方 動を朱の□で見せ消ちにして、右に朱で變
と傍記。岩波版は、變とする。 (推梅園)
0543 五五一五 而不得不北 不と北の間に小さく爲と書き入れ。岩波版
は、不爲北とする。 (推黄鶴)
0544 五五一七 而不得不南 不と南の間に小さく爲と書き入れ。岩波版
不爲南とする。 (推黄鶴)
0545 五五六六 中貫坱然之外 貫を○で見せ消ちにして、右に維と傍記し、
外を朱の□で見せ消ちにして、墨で處と傍
記。岩波版は、中維坱然之處とする。
(不明)
0546 五五六七 外藏抱眇焉之點 藏を朱の□で見せ消ちにして、朱で抱と傍
記。岩波版は、抱とする。 (推梅園)
0547 五五六九 氣則養之於保之氣 白ごまの傍点を振った氣を朱の□で見せ消
ちにして、朱で物と傍記。前行との対関係
から見れば書き損じの訂正のようにも見え
る。 (推梅園)
0548 五五七四 是以有方 有を朱の□で見せ消ちにして、朱で用と傍
記。岩波版は、用とする。 (推梅園)
0549 五五七五 是以有位 有を朱の□で見せ消ちにして、朱で體と傍
記。岩波版は、體とする。 (推梅園)
0550 五五八〇 動止之麁跡都入動 都を朱の□で見せ消ちにして、朱で總と傍
記。岩波版は、總とする。 (推梅園)
0551 五五八二 定處於物立事於物 白ごまと黒ごまの傍点を朱で白点に変更し、
立の前に朱で而を書き入れている。岩波版
では、定處於物。而立事於物。となる。
(推梅園)
0552 五六二五 衡從合東西南北。 合を朱の□で見せ消ちにして、朱で統と傍
記。岩波版は、統とする。 (推梅園)
0553 五六二八 動植又反其中。動本在上 五六二八と五六二九全体が○で見せ消ちに
0554 五六二九 植本在下 され、
蓋中外之位。物反巓趺。是以。
動植有資。又反其本末。
という文が、右に書き込まれてれており、
五六三〇行に繋がる。 (不明)
0555 五六三六 而異其氣。 を朱の□で見せ消ちにして、朱で右に様と
傍記。岩波版は、様とする。 (推梅園)
0556 五六三九 雲雷水火之升降其行 升降を朱の□で見せ消ちにして、朱で右に
浮沈と傍記。岩波版は、浮沈とする。
(推梅園)
0557 五六五四~五五 金石僅有内外。 僅を○で見せ消ちにして、上に纔と書き込
み。岩波版は、纔とする。 (推黄鶴)
0558 五六七〇 地之有東西南北 地を朱の□で見せ消ちにして、朱で下に天
と書き入れ。岩波版は、天とする。
(推梅園)
0559 五六八七 不向東退 不の前に朱で而と書き入れ、向を朱の□で
見せ消ち。岩波版は、而不東退とする。
(推梅園)
0560 五六八八 不能後退 不の前に朱で而と書き入れ、後退を朱の□
で見せ消ちにして、右に却歩と傍記。岩波
版は、而不能却歩とする。 (推梅園)
0561 五七一四~一五 故以修道也。 上の文を朱の□で見せ消ちにして、左に朱
で、是之謂人義。と傍記。 (推梅園)
0562 五七三六 靜者其精以隠 見せ消ち引き線の詳細はぺりかん社版下巻
0563 五七三七 動者其麁以見 三九九頁を参照のこと。文章にしても分ら
ないほど煩雑なので見るほかない。訂正・
引き線ともに朱であるので、蛍光ペンなど
でなぞるとよい。上記の対の文が訂正加筆
されて、
五七三六 靜也以精而隠
五七三七 動也以麁而見
という文に変更されている。 (推梅園)
0564 五七三八1 以靜而路于神
0565 五七三八2 宅于物
0566 五七三八3 已能爲路宅。故物之露。虛天實地。皆在其中。
この文が大幅に訂正されて、次のように変更
されている。前掲書同頁を参照のこと。
以靜而路宅于神物。所以活神露物在此中。
0567 五七三九 故其運轉升降。拗突高下。 行頭の故と行末の矣を朱の□で見せ消ちに
芸芸擾擾。有由靜而紀矣。 し、引き線で前後の文の順序を変えている。
(推梅園)
0568 五七四〇 非動弗可見 動と見の下に朱で也とある。 (推梅園)
0569 五七四一 非靜弗可位故 靜と位の下に朱で也とある。 (推梅園)
したがって、この頁(ぺりかん社版では三九九頁)の文は、
【訂正前】
五七三六 靜者其精以隠
五七三七 動者其麁以見
五七三八1 以靜而路于神
五七三八2 宅于物
五七三八3 已能爲路宅。故物之露。虛天實地。皆在其中。
五七三九 故其運轉升降。拗突高下。芸芸擾擾。有由靜而紀矣。
五七四〇 非動弗可見
五七四一 非靜弗可位故
【訂正後】
五七三六 靜也以精而隠
五七三七 動也以麁而見
五七三八 以靜而路宅于神物。所以活神露物在此中。
五七三九 非動也弗可見也
五七四〇 非靜也弗可位也故
五七四一 其運轉升降。拗突高下。芸芸擾擾。皆由靜而紀。
となっている。前後を比べると分かるが、文意に大差はない。岩波版は
訂正後を本文としている。訂正前は、読んだ人がほとんどいない。
0570 五七四二 動者得止地變擾有以紀 朱の□による抹消と加筆で、この二行を
0571 五七四三 靜者得動天蘊奥有以發 次にように変えている。
動得止地以紀變擾
靜得動天以發蘊奥
岩波版はこれを本文としている。訂正後
の方が表現が圧縮されているが、訂正前
の方が分かりやすい。 (推梅園)
0572 五七四二 動者得止地變擾有以紀 五七四二~五七四六までを朱の□、墨の
五七四三 靜者得動天蘊奥有以發 点と棒線などで見せ消ちにし、かつ文字
五七四四 中者止之宗也。 の挿入、新たな作文などを施し、原形を
五七四五 止者靜之就位而言之靜也。 とどめなくなっている。朱の訂正は梅園
五七四六 氣物結天地。 であると思われるが、墨の訂正は梅園か
黄鶴か分からない。二種の訂正に、どの
程度の年月の隔たりがあるのかも分から
ない。訂正の様子は、ぺりかん社版下巻
四〇〇頁を参照のこと。二行目の点と棒
線による訂正および右傍記の文は、墨で
ある。この間の、その他の見せ消ちと傍
記は朱である。引き線には、朱もあれば
墨もある。一行目の動に繋がる引き線は
典型的な梅園の線である。しかし、梅園
の引き線が常に典型的であるとは限らず、
黄鶴が梅園の線を真似ていないとも言え
ない。つまり、分からない。確実に言え
ることは、黄鶴に筆写を依頼した部分を
除けば、訂正前の文字は、間違いなく梅
除けば、訂正前の文字は、梅園のもので
あるという事だけである。訂正後の文は
次の通りであり、岩波版の該当箇所で読
むことが出来る(P441b)。岩波版の組版
はいわゆる棒組みであるが、返り点・送
り仮名がある。
是以動得止地以紀變擾
靜得動天以發蘊奥
中者靜之心。
而動之所就而止。是以與靜類焉。
猶虚之與動混也。
氣物之結天地。
(不明)
0573 五七四九 天地分動止。 止を○で見せ消ちにして、右に靜と傍記。
岩波版は、靜とする。 (不明)
0574 五七五〇 止者散天結地 前行に従って、止を靜に訂正。元筆は反
復記号であるが、右に靜と傍記している。
さらに散を点で見せ消ちにして、右に虚
と傍記し、同様に結を見せ消ちにして、
右に實と傍記している。岩波版では、
靜者虚天實地とする。 (不明)
0575 五七五四 靜則天之體混淪之物有宅 天を点で見せ消ちにして、右に物と傍記。
これはまったくの勘違いとしか思えない。
止を靜に訂正しても思考の脈絡は変わら
ない。しかし、天を物にしたのでは目茶
苦茶になる。昼夜の入れ換わりも季節の
変化も起きなくなる。だからと言って、
これが梅園の訂正ではないという証拠に
はならない。梅園自身も侌と昜を逆に書
いたりして、それを矢野弘が指摘してい
る附箋もあるし、安永本からの、梅園自
身の転記ミスなどもときおり見受けられ
る。続く文では、之物を点で見せ消ちに
している。岩波版は、
靜則物之體混淪有宅とする。(不明)
0576 五七五五 動則神之用鬱浡之氣有活 之物に対応して、之氣を見せ消ちにして
いる。白ごま・黒ごまの文の、二行一対
という記述形式を守るということが、当
然の前提として守られていることが、こ
こからも分かる。岩波版は、
動則神之用鬱浡有活とする。(不明)
0577 五七五六 不見動之跡 不見を朱の□で見せ消ちにし、右に朱で
喪と傍記。さらに跡を同様に訂正し、朱
で痕と傍記。岩波版は、喪動之痕とす
る。 (推梅園)
0578 五七五七 不見靜之物 不見を朱の□で見せ消ちにし、右に朱で
没と傍記。さらに物を同様に訂正し、朱
で状と傍記。岩波版は、没靜之状とす
る。 (推梅園)
*** 校異掲載延期のお知らせ ***
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岩波版との校異の掲載はここでいったん終わりにします。理由は、とうてい書ききれない
からです。以後は、自筆元筆復元に専念し、二種の電子テキストのべりファイという形で
相違箇所を書き出す予定です。非常に優れた文献学者であった田口正治博士が、最後には
「音を上げてしまって」(田口先生の教え子の談話)、「版下本でいい」(同前)という
判断を下したのも無理からぬことであったと思われます。ただし、版下本は、黄鶴の猛烈
な改竄版であり、三浦梅園の著作とはいえません。三浦梅園の「玄語」を読もうとすれば、
版の組み合わせに問題があるにせよ、ともかくも書き下ろし直後の「玄語」の復元以外に
方法がありません。安永四年本には、落丁があり、それを補うには、写本を用いるしかあ
りませんが、安永本の落丁を写本で補うという作業をした人はいません。これも今後の課
題です。なお、「玄語」が23年の歳月をかけ、23回の改稿で完成したというのは、まっ
たくの誤解です。「玄語」はすべて草稿であり、われわれは、最新の草稿を読むことしか
できません。何度か書きましたが、最初期の研究者である三枝博音が、学界に「玄語」を
紹介した当初から、ほとんどすべての研究者が「玄語」という書物の実態を知らずに、黄
鶴改竄版の研究を続けていたわけです。物事の基礎をなすべき学問においてすらこの有様
です。まことに愚かとしか言いようがありません。
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(推梅園)・・・梅園の訂正と思われるもの。
(推黄鶴)・・・黄鶴のものと思われるもの。
(不明) ・・・いずれとも判断しかねるもの。
(不可。推黄鶴)・・・明らかに「玄語」に対する無理解から生じた間違いとしかいえない訂正で、
それが版下本に反映されているもの。
(可。推黄鶴) ・・・黄鶴の筆に間違いないと思われるものであっても、「玄語」の未完部分の補
完となっていて、これを採用せざるを得ないもの。
ただし、最終的には、三浦梅園資料館での検証作業が必要となります。上記は、私の個人的見解ですし、
再度の見直しにおいて、変更される可能性があります。
なんにせよ、黄鶴が、まず「玄語」を筆写し、それに筆を加えていたならば、これほどの混乱は起きな
かったでしょう。また、「玄語」には、写本がいくつか残されていますが、それらを寄せ集めて「玄語」
全体の復元像を構成できるという保証はありませんし、写本を探す作業、それを自筆元筆とつき合わせ
る作業を勘案しますと、結局、自筆稿本からの元筆復元という方法が最も効率的であると考えられます。
なお、自筆稿本は、現在は学芸員以外は見ることができませんので、一度は、ぺりかん社刊行の三浦梅
園資料集を持って三浦梅園資料館に行き、デジタル資料を資料館のパソコンで見ながら手作りで自分の
資料を作る以外に、自分自身の研究用資料を持つことはできません。デジタル資料は、朱筆部分を見る
ことができる一方、細部を拡大するとぼやけて返って見づらくなるという欠点があります。そういう部
分は、学芸員の方に確認していただくほかありません。
「玄語」だけでも開館から閉館までパソコンに張り付いて、丸3日かかかります。そこまで熱心に資料
作成をすれば、その後に不明な点が見つかったとしても、メール、電話、FAXなどで、確認すること
ができるでしょうし、このページのように、自分のHPに校異を載せて、それを見てもらうこともでき
るでしょう。現在私が行っている作業は、要確認箇所の列挙に過ぎません。最終的な判断ができるのは、
まだまだ先のことです。
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